暴落が来ても積立は続けるべき?年利7%ではなく5%で考える現実的シミュレーション

新NISA

暴落のニュースを見るたびに、「今のまま積立を続けて本当に大丈夫なのだろうか」と不安になる方は少なくありません。SNSや動画では年利7%を前提としたシミュレーションを目にする一方で、「そんなにうまくいくはずがない」と感じている方も多いでしょう。

この記事では、年利7%という数字の考え方を整理し、より現実的な年利5%・暴落を織り込んだ見方をもとに、長期で積立を続けるための考え方を解説します。

「年利7%で老後2000万円」という動画、信じていいのでしょうか

NISAや積立投資を調べ始めると、YouTubeやSNSで「年利7%運用なら20年で〇〇万円になる」というシミュレーション動画によく出会います。見ているあいだは「これなら将来も安心かもしれない」と感じるのですが、動画を閉じた後にじわじわと不安が押し寄せてくる方も多いのではないでしょうか。

「そんなに増えるわけがないのでは」「暴落が来たら全部消えてしまうのでは」「自分が始めるタイミングが悪かったら取り返しがつかないのでは」。そういった疑問や恐怖は、数字が大きければ大きいほど膨らみます。楽観的なシミュレーションを見て安心するどころか、かえって迷いが深まってしまう。それは、あなたの感覚がおかしいのではなく、数字の「前提」が見えていないことへの正直な反応です。

この記事では、年利7%という数字が何を意味しているのかを整理したうえで、より現実的な年利5%・暴落あり想定のシミュレーションの考え方をお伝えします。「夢のある数字」ではなく「続けるための納得できる数字」で積立を考えてみましょう。

まずはご自身の条件で試算してみませんか

この記事を読む前に、現在の積立額や運用期間で将来どのくらいの資産形成が見込めるかをイメージしておくと、本文の内容がより理解しやすくなります。

自分の条件で将来の資産額を確認する


そもそも「年利7%」は根拠のある数字なのか

長期平均としては理論上ありうる数字

年利7%という数字は、まったく根拠のない数字ではありません。全世界株式や米国株式のインデックスファンドを長期保有した場合の過去の平均リターンを参考にした数字です。たとえば米国のS&P500指数は、配当込みで過去の長期平均が年率8〜10%程度とされており、インフレを調整したうえで年利7%前後という計算は一定の根拠を持っています。

ただし、ここで大切なのは「長期平均」という言葉の意味です。これは「毎年必ず7%増える」ということではありません。ある年はプラス25%、別の年はマイナス30%、そしてまた回復してプラス20%……という激しい上下を何十年分も平均すると、そのくらいになるという話です。

途中には必ず暴落がある

過去の株式市場を振り返ると、10〜20年のあいだに大きな暴落は必ず起きています。2008年のリーマンショックでは世界の株価が半値近くになりました。2020年のコロナショックでは数週間で30〜40%下落しました。こうした出来事を経験したとき、積立を続けていた人はどうなったか。一時的に評価額が大きく減りましたが、その後の回復で資産を取り戻し、積立を続けた人の多くは最終的にプラスになっています。

重要なのは、暴落そのものが問題なのではなく、暴落時に売ってしまうことが問題だということです。評価額が下がっている状態は「損失の確定」ではなく、あくまで「一時的な評価の減少」です。売らなければ、数字の上での変動でしかありません。


年利7%ではなく5%で考えると何が変わるか

保守的な前提が「続けられる計画」を作る

年利7%のシミュレーションは、理論上の長期平均に基づいていますが、実際には為替の変動、手数料、税金、そして積立のタイミングなどによって結果は変わります。より現実的な計画を立てるには、少し低めの利回りを前提にすることが有効です。

ここでは、年利5%という前提で考えてみましょう。これは「悲観的すぎる」数字ではなく、「想定外の事態が起きても計画が崩れにくい」ための余裕を持たせた前提です。

積立額と期間によるイメージ(元本割れリスクあり・参考値として)

実際の将来資産額を断定することはできませんが、年利5%という前提でシミュレーターを動かすと、年利7%の場合と比べて最終的な評価額は小さくなります。ただし、それでも長期積立の複利効果は現れます。重要なのは「7%でなければ意味がない」ということではなく、「5%であっても、積立を続けることに合理性がある」という点です。

なお、投資信託の積立には元本割れのリスクがあります。将来の資産額は保証されるものではなく、市場環境によっては積立元本を下回ることもあります。シミュレーターの数字はあくまで参考値として、計画の目安として使うことをおすすめします。

月3万円のような少額の積立でも十分な効果があるのか気になる方は、月3万円の積立は少なすぎるのか、続けることの意味を考えた記事もあわせてご覧ください。

新NISAの制度そのものから確認しておきたい方は、新NISAを始めるかどうか迷ったらもあわせてご覧ください。

利回りを変えて、ご自身の条件で試算してみましょう

年利7%だけでなく、5%など複数の条件でも試算してみることで、自分に合った現実的な資産形成計画を考えやすくなります。

利回りを変えてシミュレーションしてみる


暴落が来たとき、積立はどう動くか

暴落は「安く買えるタイミング」でもある

毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」という方法では、価格が下がったときに自動的に多くの口数を買うことになります。たとえば毎月1万円を積み立てている場合、価格が半分になればその月は通常の2倍の口数が買えます。暴落は怖い出来事ですが、長期的に積立を続ける人にとっては「安値で多く仕込めるタイミング」という側面もあります。

もちろん、暴落がいつ回復するかは誰にも分かりません。「安く買えた」と感じられるのは、回復してから振り返ったときの話です。それでも、積立を止めずに続けた人と、怖くなって止めた人では、回復後の評価額に大きな差が生まれることが多くあります。

「暴落で終わり」は正しくない

SNSや動画で「いつか暴落が来て全部消える」という表現を見ることがあります。ただし、全世界株式や米国株式のインデックスに積み立てている場合、資産が「ゼロ」になるとは、世界中のあらゆる企業が倒産するような事態を意味します。そのような状況では、株式だけでなく預金や現金の価値も大きく揺らいでいる可能性があります。「すべての資産をなくすリスク」という意味では、インデックス投資だけが特別に危険というわけではありません。

一方で、特定の一社や一国に集中して投資している場合は、その企業・国の経済が失速したときに大きなダメージを受けます。分散されたインデックスファンドへの積立が初心者に推奨される理由は、こうしたリスクの集中を避けられる点にあります。


40代・50代・60代、年代別の現実的な考え方

40代:まだ時間がある。だからこそ「続けられる金額」が最優先

40代で積立を始める場合、60歳まで約20年、65歳まで約25年あります。この時間は、複利の効果を活かすうえで十分な長さです。月々の積立額を無理に大きくしようとして生活を圧迫させるよりも、続けられる金額で確実に積み立てることのほうが重要です。暴落が来ても「生活費が足りない」という状況にならないよう、生活防衛資金(3〜6か月分の生活費)を別に確保したうえで積立を始めることをおすすめします。

50代:期間が短くなる分、積立額と引き出しの計画を意識する

50代で積立を始める、あるいは続けている場合、残りの積立期間は10〜15年になります。年利5%でも複利の効果は働きますが、40代よりも期間が短いぶん、最終的な評価額の見通しは変わります。また、60代に入ってから資産を使い始めるタイミングを考えると、「いつ、いくら引き出すか」という出口の計画も視野に入ってきます。一括で引き出すのではなく、毎月少しずつ取り崩す方法なども含めて、シミュレーターで試してみてください。

60代:始めたばかりでも意味はある。ただし「使う時期」と「運用期間」のバランスを

60代から積立を始める場合、「もう遅い」と感じる方も多いのですが、60歳から積立を始めても70歳まで10年あります。人生100年時代と言われる今、10年という期間は資産形成の観点から決して短くはありません。ただし、リスクの取り方は40代とは異なるべきです。数年以内に使う予定のある資金を積立に回すのは避け、10年以上手をつけない予定の資金を活用することが基本です。


「現実的な数字」で考えることが、継続の土台になる

楽観的な数字は、始めるきっかけにはなるが「続ける」には使えない

「年利7%で20年後に〇〇万円」という動画は、投資を始めようとしている人の背中を押す効果はあります。しかし、その数字を信じすぎてしまうと、暴落が来たときに「こんなはずじゃなかった」という気持ちになり、積立をやめてしまうことにつながります。

一方、年利5%・暴落あり・元本割れリスクあり、という前提で計画を立てた人は、暴落が来ても「想定内のことが起きている」と感じやすくなります。不安に振り回されることなく、積立を続けられる可能性が高まります。現実的な前提で考えることは、悲観的になることではありません。「何が起きても続けられる計画」を作ることです。

シミュレーションは「目標」ではなく「目安」として使う

シミュレーターが示す数字は、あくまでも「一定の前提のもとで計算した参考値」です。実際の市場の動きによって結果は大きく変わります。シミュレーションを「このくらいになるはず」という目標として固定してしまうと、思い通りにならなかったときに意欲を失います。「大まかな方向性を確認するための道具」として使い、実際の運用では市場の動きに一喜一憂しないことのほうが大切です。

こうした前提で積立を続けていく場合、実際に利用する証券会社が自分に合っているかも確認しておきたいポイントです。新NISAの証券会社選び|DMM株と松井証券、何が違う?初心者向け比較で、取扱商品・手数料・NISA対応の違いを比較してみてください。


この記事のまとめ

年利7%は長期の平均値であり、毎年必ず得られるものではありません。途中には必ず暴落があり、それは「積立の失敗」を意味するのではなく、長期積立の過程で起きる正常な出来事です。より現実的な年利5%・暴落あり想定で考えることで、動揺せずに積立を続けるための心理的な基盤が作れます。

大切なのは「完璧なタイミング」や「完璧な利回り予測」ではなく、「暴落が来ても続けられる計画」を最初から作っておくことです。そのためのツールとして、公式のシミュレーターを活用してみてください。

参考情報

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。情報確認日:2026年7月。

また、制度内容や商品情報は変更される可能性があるため、最新情報は金融庁や各金融機関の公式サイトで確認してください。

まずは新NISAの基本を確認し、無理なく始められる準備を進めましょう。

新NISAの制度そのものが気になる方は、まず基本を確認しておくと安心です。

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