「新NISAを始めたほうがいい。」
そんな言葉を聞く機会が、本当に増えました。ニュースでも、YouTubeでも、SNSでも見かけます。それでも、「まだ始めていない」という人は少なくありません。
その理由は人によってさまざまです。お金の余裕だけが理由とは限らないようです。「もっと勉強してから。」「今始めて損をしたらどうしよう。」「50代からでは遅いかもしれない。」こうした迷いを抱えたまま、半年、一年と時間が過ぎてしまうことがあります。心当たりがある方は、一度立ち止まって考えてみてください。その迷いは、半年前にも同じように感じていませんでしたか。
この記事では、新NISAの制度を細かく解説することはしません。この記事では、始めるかどうかを判断するための材料と、始めると決めたあとに迷わず進むための順番を、できるだけ分かりやすくお伝えします。
新NISAを始められない理由として挙げられやすいもの
「始めたほうがいい」と分かっていても行動できないとき、次のような迷いが背景にあることがあります。ただし、感じ方や優先順位は人それぞれ違うため、以下はあくまで一つの整理として読んでください。
理由1:「もっと勉強してから」という迷い
投資を始めることに不安があるのは当然です。「失敗したらどうしよう。」と感じる人も多いでしょう。だから、本を読んだり、動画を見たり、比較記事を読んだりします。それ自体は悪いことではありません。ただ、人によっては、「勉強」が「先延ばし」の理由になってしまうこともあります。
新NISAは、株式や投資信託などから得られる利益を、一定の条件および非課税保有限度額の範囲内で非課税にする制度であり、10年・20年といった運用期間が義務付けられているわけではありません。一方、金融庁は安定的な資産形成の考え方として、長期・積立・分散投資を紹介しています。もちろん、最低限の知識は必要ですが、完璧に理解してからでなければ始められない、というものでもありません。
「もっと早く始めておけばよかった」という感想を口にする人もいますが、感じ方は人によって異なります。判断を急ぐ必要はありませんが、勉強を続けている間も時間は同じように過ぎていく、という点は意識しておいてよいかもしれません。
理由2:新NISAと投資商品を混同してしまう不安
ここ数年で、「以前より生活費が上がった。」と感じることはありませんか。食品、電気代、ガソリン代。少しずつ値上がりが続いています。つまり、100万円という金額は同じでも、将来買えるものは今より少なくなる可能性があります。
もちろん、生活費や急な出費に備えた預金は必要です。それとは別に、投資信託や株式など値動きのある商品で資産形成を考える人が増えているのも、こうした背景と関係していると考えられます。
ここで、新NISAという制度そのものを正確に理解しておく必要があります。新NISAは、それ自体が資産を増やしてくれる商品ではありません。新NISA口座の中で株式や投資信託を保有し、そこで得た値上がり益や分配金・配当金が、一定の条件および非課税保有限度額の範囲内で非課税になる制度です。運用するのはあくまで株式や投資信託であり、新NISAという制度は、その利益にかかる税金を軽くする「入れ物」にすぎません。
したがって、新NISAを利用したからといって、元本や利益が保証されるわけではありません。投資信託や株式である以上、値下がりして投資した金額を下回ることもあります。この違いを理解したうえで、「使う予定があり、減らしたくないお金(預金)」と「増える可能性はあるが減る可能性もあるお金(投資)」を分けて考えることが、始める前の土台になります。
理由3:少額でも意味があるのか、不安な方へ
SNSでは、「毎月10万円積み立てています。」「年間投資枠を使い切りました。」そんな投稿を見かけることがあります。でも、それを基準にする必要はありません。
住宅ローンがある人、子どもの教育費が必要な人、親の介護を考えている人。毎月自由に使えるお金は、人によってまったく違います。生活を続けながら、無理なく積み立てられる金額を選ぶという考え方もあります。毎月1万円でも、3万円でも構いません。
最初から頑張りすぎて途中でやめてしまうより、無理のない金額で続けるほうが、新NISAの制度趣旨には合っています。投資は、「いくらで始めるか」だけでなく、「続けられるか」も判断材料の一つになります。
とはいえ、「じゃあ自分はいくらから始めればいいのか」「いつまで続ければいいのか」は、この記事だけでは決めきれません。次の章では、その先の一歩をどう進めればいいかを、順番に整理します。
新NISAを始める6つのステップ
ここまで読んで、もう少し具体的に検討してみようと思った方のために、初心者が迷わず進めるよう、順番を6つのステップに整理しました。一気に全部を終わらせる必要はありません。今の自分がどのステップにいるかを確認しながら、自分のペースで進めてください。
ステップ1 新NISAを知る(このページ)
まずは、新NISAという制度の性質と、始めるかどうかで迷っている状態を整理すること。ここまで読んでくださったなら、このステップの材料は揃っています。
ステップ2 積立額を決める
次に検討したいのは、「毎月いくら積み立てるか」です。年代・収入・生活費によって、無理のない金額は人それぞれ違います。40代・50代・60代のNISA積立額はいくらが正解?で、年代別の考え方を整理しています。
ステップ3 継続期間を考える
積立額と同じくらい大切なのが、「いつまで続けるか」という出口の考え方です。ゴールを先に決めておくと、途中で相場が動いても判断の軸にしやすくなります。新NISAの積立、いつまで続ければいい?終わりの決め方と出口設計の考え方で詳しく解説しています。
ステップ4 証券会社を比較する
商品選びの前に、証券会社選びでつまずく人も少なくありません。種類が多く、それぞれ特徴が違うため、「どこで口座を作ればいいのか分からない」と感じることがあります。新NISAの証券会社選び|DMM株と松井証券、何が違う?初心者向け比較で、取扱商品・手数料・NISA対応の違いを整理しています。
ステップ5 証券会社を選ぶ
比較したうえで、自分に合いそうな1社を検討します。それぞれの証券会社について、メリット・デメリットと向いている人を詳しくまとめた記事も用意しています。DMM株は自分に合う?メリット・デメリットと口座開設の始め方、松井証券は自分に合う?メリット・デメリットと口座開設の始め方を読んで、自分に近いほうを確認してみてください。
ステップ6 口座開設へ進む
証券会社を選んだあとに進むのが、口座開設です。ステップ5で紹介した記事の中に、口座開設の具体的な手順と、開設後に確認しておきたい初期設定もまとめています。証券口座の開設自体は無料で、口座を作ったその日にお金を入れる必要もありません。
この記事を読んだあとにできること
この記事を読んだからといって、今日中に投資を始める必要はありません。商品を今日決める必要も、積立額を今日決める必要もありません。
まずは比較から
順番として次に確認しやすいのは、ステップ4で紹介した証券会社の比較です。証券会社を比較し、自分に合いそうな1社が見えてきた段階で、初めて口座開設を具体的に検討する、という順番であれば無理がありません。口座開設自体は無料で、口座を作った日にお金を入れる義務もありませんが、それも証券会社を選んだあとの話です。
生活費の余裕を優先すべき場合
生活費が不足している方や、借入金の返済を優先すべき状況の方は、まずそちらを優先してください。投資は、生活を犠牲にしてまで行うものではありません。
まとめ
この記事でお伝えしたかったのは、複雑な投資の知識ではなく、始めるかどうかで迷ったときに、何から確認していけばいいかという順番です。
新NISAは、口座内で得た運用益が一定の条件および非課税保有限度額の範囲内で非課税になる制度であり、それ自体が資産を増やしてくれる仕組みではありません。投資である以上、価格が下がって投資した金額を下回ることもあります。だからこそ、無理のない金額で、自分に合った証券会社を選び、長く続けられる形を作ることが判断材料の一つになります。
まだ証券会社を決めきれていない方は、上で紹介した「新NISAを始める6つのステップ」を、自分のペースで一つずつ確認してみてください。次に読む記事としては、DMM株と松井証券を比較した記事が、証券会社選びの最初の一歩になります。
参考情報
本記事は情報提供を目的としており、特定の投資商品・証券会社への勧誘を目的とするものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、市場環境によっては投資元本を下回ることがあります。また、NISA等の制度内容は、法改正等により変更される可能性があります。最新の制度内容や各種手続きについては、金融庁や各証券会社の公式サイトでご確認ください。

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